第12回(8月〙
1. 短冊は墨痕淋漓(ぼつこんりんり)星祭 (弓人)4点
2. 暑と熱蝉鳴かぬ街に選挙カー (清花)1点
3. 朝露天大きなあくび夏旺ん (ひろちゃん)1点
4. 穏やかな地平のつづき梅漬くる (弓人)2点
5. 盆の月静かに照らす帰り道 (勢以子)5点
【作者コメント】
お盆の月が、静かに帰る道を照らしている様子を表しました。
6. (7月30日横須賀にて)津波報海風涼し基地の町 (清花)3点
7. コバルトの海からの風暑さ消す (開空)1点
8. 来客を待つて一鉢風知草(ふうちさう) (弓人)4点
9. 盂蘭盆会手を合わせる子何祈る (開空)5点
10. 入道雲幼き夢を乗せてゆく (勢以子)4点
【作者コメント】
入道雲が、子供の頃の夢を乗せて運んでいくようなイメージです。
11. 祭り笛今日は西より聞こえけり (ひろちゃん)3点
12. 風鈴の音色涼しき縁側で (勢以子)0点
【作者コメント】
風鈴の音が涼しく響く縁側で、ゆったりと過ごす情景です。
13. 星祭り若竹担ぎ子ら燥ぎ (ひろちゃん)1点
14. 踊るより笑顔の候補盆の夜 (清花)3点
15. ガマにある慰霊碑の名を読む夏日 (開空)4点
総評
感覚的には、盆踊りや蟲の声・涼風など八月は初秋の訪れです。しかし、今年の異常気象の残暑とゲリラ豪雨に振り回されています。今月も良い句が集まりました。(弓人)
今回は、夏の様々な情景や行事、作者の心情を詠んだバラエティ豊かな作品が集まりました。季語を効果的に用いた句、情景が目に浮かぶ句、社会性を感じさせる句など、それぞれ個性的な魅力があり、読み応えのある句会となりました。(勢以子)
全体が俳句ならではの歯切れの良さが見られました。(能見山人)
第11回(7月)
1. 酷暑をものとせず咲くデュランタ (開空)1点
2. 人混みにほおずき揺れる浅草寺 (清花)3点
3. 居酒屋の新し木札心太 (ひろちゃん)4点
4. 釣日和真菰(まこも)の花のゆうらゆら (弓人)3点
5. 父と子が並んで釣らむザリガニを (開空)5点
6. 「〻(をどりじ)」はがゞんぼの脚出窓越し (弓人)0点
7. 日盛りや森閑として魚市場 (ひろちゃん)5点
8. 氷菓食(た)ぶ銀座パーラー喫茶室 (弓人)0点
9. (秋田千秋公園にて)
蓮池やババへらアイス薔薇の花 (清花)0点
10. 天の川星のきらめく夏の夜 (勢以子)1点
11. 単線をこまち駆け抜け夏の雲 (清花)1点
12. 風鈴の音色涼やか昼下がり (勢以子)2点
13. 涼やかに泡盛も割るソーダ水 (開空)1点
14. 一人膳とりあえずはと冷奴 (ひろちゃん)3点
15. 入道雲湧き立つ空に夏来る (勢以子)2点
総評
七夕🎋が過ぎ、鬼灯市・風鈴・花火・夏祭と賑やかです。
7月の佳句15の宴になりました。(弓人)
今回は、夏の情景や日常を捉えた句が集まりました。季語(酷暑・ほおずき・心太・真菰・ザリガニ・風鈴・泡盛・冷奴・入道雲など)を使い豊かな句会となりました。(勢以子)
俳句の心情である季節感が、それぞれに結晶しています。それに即応した心情もよく調和していました。(能見山人)
第10回(6月〙
1. いつの間にアガパンサスが顔を出す (開空)1点
2. 3 雨雲に咲く開港の花火かな (清花)3点
3. キアゲハの輝くたまご如何にせん (開空)4点
4. 鮎掛や川ゆるやかに暮れ初むる (弓人)4点
5. 初生りのピーマンくねり笑居り (ひろちゃん)2点
6. 1 つばめの子くちを並べて餌を待つ (清花)3点
7. 代搔きのエンジン音の心地良し (ひろちゃん)3点
8. 2 お点前や菓子は水無月涼やかに (清花)0点
9. (鎌倉にて)谷渡追い追い辿る「やぐら」かな (ひろちゃん)1点
10. (鎌倉・極楽寺にて)重文の如来の坐像蟻の列 (弓人)4点
11. さつきばれ親子連れみてガザ想う (開空)2点
12. 新任の女性教師や田植唄 (弓人)3点
総評
六月の木々は、緑色濃く逞しい成長の姿を見せます。空気はしっとりとして梅雨に入り、全てが潤います。佳句が12句揃いました。(弓人)
それぞれに、時候に敏感な創作の姿勢が見事に結実していました。鑑賞甲斐がありました。(能見山人)
第8回(2025.4)
7. 描きつつ香に浸り居り沈丁花 (ひろちゃん)7点
1. 春日和(はるびより)柴又までの渡し船 (弓人)5点
10. (絵手紙教室にて)菜の花が画けたと老婆はしゃぎ居り (ひろちゃん)5点
11. 神代桜幹に宿るや時の声 (清花)4点
5. 雨の中静かに桜咲き誇る (開空)4点
12. 幼子に席譲る子は入学児 (開空)3点
3. 蠟梅や香りまでもとシャッターを (ひろちゃん)3点
2. 名呼ぶ師にはいっと応えて卒業す (開空)2点
8. 満開の中に独りや花の精 (清花)2点
4. 山吹や光の方へキラキラと (清花)1点
6. 用済めばまた用のでき春嵐 (弓人)1点
9. 野焼きの火飛んで里山ヘリの音 (弓人)1点
総評
4月の季節を詠み込んだ句が見られ嬉しい限りです。季節をしっかりと確かに見つめること、俳句の基本だと思います。(弓人)
全体の印象”春日和”いいですね。良いカメラと佳いカメラアイをお持ちですね。シャッターチャンスを決して見逃さず、みごとに獲物を獲得する腕前見事です。ヴィバルディの”四季”を聴いている印象です。(失礼!!)(能見山人)
1. 販売車祭囃子を鳴らし来る (ひろちゃん497)2点
2. (来て良し帰って良しの孫台風だが…⁉)夏休み 孫の成長 見て嬉し (幸ちゃん)3点
3. (動きの激しい曲は若者とこどもの世界)盆踊り輪に入れないアニメ曲 (清柳)2点
4. 紳士とは言へず総裁言ふ真摯 (U太老)4点
5. スマホ見て他人(ひと)と比べる無意味だと (雷太)0点
【作者コメント】
スマホで他人と自分を比べることの無意味さを感じている。
6. 節約を言う市長選二連週 (清柳)0点
7. 大銀杏結えぬ若手の髪弾丸 (草野関) (ひろちゃん497)1点
8. ビールより水がうまいとコシヒカリ (清柳)1点
9. 「鬼畜米」と言ひし昭和の遠くなり (U太老)3点
10. あの頃と比べて増えた白いもの (雷太)0点
【作者コメント】
昔と比べて、白髪が増えたことを自覚する。
11. 先生と背丈をくらべクラス会 (U太老)2点
12. (夏休みで入れ代わり立ち代わりに泊まりに来る孫たち)夜明け前 蝉より先に 孫の声 (幸ちゃん)6点
13. (過去にないくらいの温暖化の影響か)北よりも 南が涼し この猛暑 (幸ちゃん)1点
14. 西瓜描く夏見舞いロゴ「夏食っちゃえ」 (ひろちゃん497)0点
15. 隣の芝青く見えると言うけれど (雷太)1点
【作者コメント】
他人のものが良く見えるけれど、自分のものも大切にしようという気持ち。
総評
15句の川柳。それぞれ味があります。視点がいいですね。(U太老)
川柳句会では、ユーモア、風刺、日常の発見、そして社会への眼差しなど、多岐にわたるテーマを詠んだ作品が集まりました。作者それぞれの視点や感情が込められており、読み応えのある句会となりました。(雷太)
よく時節をとらえた作品が多く みごとでした。(能見山人)
第6回(7月)
1. 除染土とセット販売電気です (U太老)1点
2. 日除けすだれ仕舞い忘れが功を為し (ひろちゃん497)1点
3. かけてました探しあぐねし老眼鏡 (U太老)4点
4. 補聴器を探す眼鏡よどこ行った (ひろちゃん497)4点
5. (局地的大雨停電で)スマホだけ光を放つ家の中 (清柳)2点
6. 合法もあるギャンブルの不合法 (U太老)0点
7. 扇風機首振り続け我が人生 (雷太)4点
8. 明日は採る翌朝トマト鳥の突く (ひろちゃん497)3点
9. 猛暑日も 暑さ二倍に 二刀流 (幸ちゃん)0点
10. (局地的大雨停電で)雨宿り自宅の前で仮の宿 (清柳)0点
11. 節約と言い訳ばかり昼ごはん (雷太)0点
12. 短冊に コメが欲しいと 願い書く (幸ちゃん)3点
13. なまはげや毎年来てよ都会にも (清柳)1点
14. 海開き 猛暑猛暑の 波が来る (幸ちゃん)1点
15. 夏休み宿題だけが終わらない (雷太)1点
総評
川柳の醍醐味は、自由な発想の拡がりから生まれると感じます。(U太老)
投句者それぞれの視点から、日常や社会を切り取ったバラエティ豊かな作品が集まりました。ユーモア・風刺・共感など川柳ならではの魅力が発揮され、良い句会となりました。(雷太)
どれも昨今の世情をよくとらえていてみごとでした。 (能見山人)
1. 御年(おんとしも)も少しは若くと更衣(ころもがえ) (ひろちゃん497)3点
2. 3 飛ぶたびに子ツバメの口またふえる (清柳)0点
3. (ミスタープロ野球の訃報に接して悲しみが増す)3の日に 大きな太陽 沈み逝く (幸ちゃん)2点
【作者コメント】
間もなく十日、新聞紙上には未だ記事の載らぬ日はなし。やはり偉大な人なんだ!!
4. 赤シャツを着て脱いで着て更衣 (ひろちゃん497)0点
5. 1 米買えば町に列ふえ今令和 (清柳)0点
6. (いつになったら見つけ出せるか不安がますます募る)見つからず 古米古古米 古古古米 (幸ちゃん)2点
7. 浪費すも倹約するも増える悔い (U太老)1点
8. 梅雨寒や仕舞い忘れが用を為し (ひろちゃん497)3点
9. 古古古米(こここまい)ここで備蓄の米処分 (U太老)1点
10. 備蓄米 右往左往で 焦り増す (幸ちゃん)2点
11. 気が付けばお試しサプリ五年飲み (U太老)4点
12. 2 店奥の茶尽きふえるインバウンド (清柳)0点
総評
12句のうち4句が「令和の米騒動」と言われる備蓄米放出関連の川柳でした。(U太老)
どれも世情を見事にとらえています。風刺の中に機知のひらめきもあり楽しませてもらいました。(能見山人)
第2回(2025.4)
1. ゆつくりと杖に始まる第一歩草若返る道の先まで (素月)1点
2. 大震災憂い共に詩画作りたる友記念日待たず逝く (ひろちゃん497)3点
3. 夕茜(ゆうあかね)富士を背に咲く|孤(ひと)ひらの 桜よいのち空を染めゆく (清歌)2点
4. 売れ筋は麺とスープの素ラーメン主(あるじ)の笑顔値上がりの世に (素月)1点
5. ひび割れし幹の太さや若芽出る命を繋げる新しい花 (清歌)4点
6. 新社員桜咲きての初仕事ブルーシートに大の字となる (ひろちゃん497)2点
総評
前回と同じ三人の歌会ですが、4月らしい歌が揃いました。(素月)
第6回(8月)
1. 画(ゑ)から絵へ窓より飛んだ夏帽子道行く人の頭に止まる (素月)1点
2. 炎天下(えんてんか)汗して実る稲穂かな黄金(こがね)の波に秋の足音 (ひょう)0点
【作者コメント】
夏の暑さの中、稲穂が実り、黄金色の波が広がる。秋の訪れを感じる。
3. (7月30日津波警報の横須賀にて)津波報避難する列声もなく先導のベスト古老毅然と (清歌)5点
4. 軒下に弟(おと)の使いし日除け笠鮎の姿と今も浮かびぬ (ひろちゃん497)5点
5. 花火散り夜空に消える刹那(せつな)かな夏の終わりを告げる光よ (ひょう)1点
【作者コメント】
花火が散り、夜空に消えていく。夏の終わりを告げる光。
6. 投票の人より多し立会人行ったり来たり汗拭きながら (清歌)1点
7. 差し出さる腕(かひな)やさしき右左(みぎひだり)駅の階段転びし我に (素月)5点
8. 蜩の鳴き止みたりし川の州に円座つくりて塩焼きを食む (ひろちゃん497)4点
総評
出詠4人。良い歌が集まりました。(素月)
今回の短歌会では、夏の情景や出来事、作者の心情を詠んだ作品が集まりました。情景描写や言葉選びの巧みさ、そして作者の個性が光る短歌会となりました。(ひょう)
折々の心情が素直に表出されています。(能見山人)
第5回(7月)
1. (サ高住=サービス付き高齢者住宅)サ高住入居後早くも一年余 絵一枚も描かずに遺憾 (ひろちゃん497)0点
2. (白神山地青池にて)青池の底にやすらぐ古木あり永遠の眠りに光やわらか (清歌)6点
3. 麦わら帽風に飛ばされ追いかける無邪気な笑顔夏の思い出 (ひょう)0点
4. 三匹も掬ひし吾子の金魚ぽい群れを追ひかけ次の一匹 (素月)0点
【作者コメント】
夏の風物詩「金魚すくい」で金魚をすくう道具の名前を「ポイ」または「紙ポイ」と言います。
金魚を「ポイポイ」と掬うからという説や、破れたら「ポイ」と捨てるからという説があります。
5. 夕焼け空茜に染まり夏終り過ぎゆく日々を惜しむ心よ (ひょう)3点
6. ペイスメイカー入れたる弟(おと)が 持ち来た採りたてトマトうん美味なり (ひろちゃん497)2点
7. (山下公園にて)赤い靴はいて異国へ消えし子の像の頭や雀静かに (清歌)1点
8. この星の余命幾何(いくばく)考へて残りの日々を有為(うい)に過ごさむ (素月)4点
総評
7月歌壇は、出詠者4人 全8首の個性ある短歌が並びました。(素月)
参加者それぞれの個性と豊かな感性が光る詠草が集まりました。自然や日常の風景・人生の機微を捉えた歌でバラエティ豊かな内容となりました。今後も、互いに刺激し合い、より良い歌を詠まれるよう期待します。(ひょう)
話題は身近なものから、広く社会問題へと展開し、年令経験に相応した視線がやさしく的確でした。(能見山人)
第4回(6月)
1. 足跡を残して植田澄みし後 白雲浮かび田の神笑う (ひろちゃん497)3点
2. 十薬のそのことよりも疎まれてドクダミ咲けり白くけなげに (清歌)1点
3. 正しいと思える意見破綻して濡れ煎餅の奥歯に絡む (素月)3点
4. 公園に高齢者│主(ぬし)│ラジオ体操子らと犬など脇役にして (清歌)0点
5. (終戦直前の1945年夏、津久井から横浜への通学時、横浜線が艦載機の空襲に出合う)
やっと来た汽車を飛び降り桑畑 伏したる吾に機銃の唸り (ひろちゃん497)2点
6. 天井(てんじょう)をゆるりと回る送風扇(そうふうせん)部屋の温気(うんき)を軟らげてをり (素月)0点
総評
6首、身辺の雑感や戦中の危機など時間を越えて巾広く詠まれた。(素月)
詠草者の歌風が決まってきました。どれも冷静な視座、心豊かな受けとめ方が淡麗に結実しています。(能見山人)
第3(2025.4))
1. (物価高の中で)賑やかに萌(も)やし持ち寄り糵鍋(もやしなべ) (U太老)7点
【作者コメント】
”もやし”に「萌やし」「糵」の表記
4. 物干しに明日の予定も吊し置き (ひろちゃん497)5点
7. 財源に触れず振る舞う年予算 (U太老)4点
11. 花よりも酒にスマホにハローかな (清柳)2点
12. (清交会の総会準備に追われて)メール待ち 眠る間もなし 年度末 (幸ちゃん)2点
2. (検査診断 異常なし「90歳代ですからね」とのことです。)腸検査今回限りと医者の弁 (ひろちゃん497)2点
3. 青春の青い迷い路(じ)闇バイト (U太老)2点
8. (詠題があるとは気が付かず雑詠で済みません)気ばかりが逸りて桜花咲かず (ひろちゃん497)2点
9. (県央地区の観桜会に参加して)賑やかな 三川(さんせん)に集い 花の宴 (幸ちゃん)2点
10. 三川を 集めてつどう 宴かな (幸ちゃん)1点
5. 花見客外国人だけ盛り上がり (清柳)1点
6. 飲み会後ラーメン屋だけ第二部に (清柳)1点
総評
「賑やか」の題に12句揃いたる(U太老)
山田弘仁様から「今日の月🌓上弦半月2025/08/31/ 19:00(旧7月9日)[月齢8.2]☀️
和光弘様から8月の絵手紙と山田弘仁様から今日の月を時間を変えて二枚、🌕満月2025/08/09/ 0:12(旧7月16日)[月齢14.8]と2025/08/09/ 20:01(旧7月16日)[月齢15.7]🌤️スタージョンムーン
和光弘様から8月の絵手紙と山田弘仁様から今日の月🌓上弦半月2025/08/01/ 18:41(旧7月8日)[月齢7.6]☁️
7月の絵手紙「枇杷」(和光 弘様)と「今月の月:下弦半月」2025/07/18/01:52 (旧6月24日)「月齢22.3」(山田 弘仁様)
『絵手紙』
季節の絵手紙を和光さんから毎回投稿していただいています。 こちらからお楽しみください。